会社の破産を決断するとき、経営者が最も心を痛めるのが従業員のことです。従業員への誠実な対応は、手続きを円滑に進めるうえでも重要です。
1. 従業員の解雇
事業停止にあわせて、従業員を解雇するのが通常です。30日前の解雇予告ができない場合は解雇予告手当の支払いが必要ですが、資金がない場合は未払いのまま破産手続きに入り、後述の立替払制度等で対応することになります。
2. 未払賃金立替払制度
会社に賃金や退職金を支払う資金が残っていない場合でも、独立行政法人労働者健康安全機構の未払賃金立替払制度により、未払賃金・退職金の8割(年齢による上限あり)が国から立替払いされます。破産手続きと連携して申請することで、従業員の生活への影響を抑えることができます。
3. 離職票・社会保険の手続き
従業員が速やかに失業給付を受けられるよう、離職票の交付、社会保険・雇用保険の資格喪失手続きを行います。破産申立てを依頼した弁護士や社会保険労務士と連携して進めます。
4. 従業員への説明のタイミング
事業停止前に情報が広がると、資産の散逸や混乱を招くおそれがあるため、従業員への説明は事業停止のタイミングにあわせて行うのが一般的です。説明の方法・内容は事前に弁護士と綿密に打ち合わせます。
よくあるご質問
Q. 従業員の給料と取引先への支払い、どちらを優先すべきですか?
労働債権は破産手続上も優先的に扱われますが、破産直前の支払いには法的なリスクが伴う場合があります。自己判断せず、必ず事前にご相談ください。
Q. 従業員の再就職まで面倒を見る義務はありますか?
法的な義務はありませんが、ハローワークの情報提供や離職票の速やかな交付など、できる範囲の配慮が従業員の再出発を助けます。
※ 本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的なご状況については弁護士にご相談ください(交通事故・債務整理のご相談は無料です)。