交通事故で頭部に強い衝撃を受けた後、「記憶力が落ちた」「怒りっぽくなった」「仕事の段取りができなくなった」――このような変化は「高次脳機能障害」の症状かもしれません。外見からは分かりにくく、本人にも自覚がないことが多いため、見逃されやすい後遺障害の代表格です。
高次脳機能障害とは
脳の損傷によって、記憶・注意・遂行機能・社会的行動などの認知機能に障害が生じるものです。主な症状には次のようなものがあります。
- 記憶障害:新しいことが覚えられない、同じことを何度も聞く
- 注意障害:集中力が続かない、ミスが増える
- 遂行機能障害:計画を立てて物事を進められない
- 社会的行動障害:怒りっぽくなる、意欲が湧かない、子どもっぽくなる
見逃されやすい理由
外見上は元気に見えること、本人に障害の自覚がないことが多いこと、日常生活に戻って初めて症状が表面化することなどから、治療の過程で見逃されることが少なくありません。ご家族が「事故前と違う」と感じたら、それが重要なサインです。
後遺障害等級
高次脳機能障害は、症状の程度に応じて1級・2級・3級・5級・7級・9級(別表第一・第二)に認定されます。等級によって賠償額が数千万円単位で変わることもある重要な認定です。
認定のポイント
- 受傷直後の意識障害の有無・程度・継続時間(診療録の記載が重要)
- CT・MRIなどの画像で脳損傷(びまん性軸索損傷・脳挫傷等)の所見があること
- 神経心理学的検査(WAIS等)を受けていること
- ご家族が作成する「日常生活状況報告」で事故前後の変化を具体的に伝えること
早期に弁護士へ相談を
高次脳機能障害の認定には、受傷直後からの資料の積み重ねが重要です。適切な検査を受けているか、症状が記録に残っているかを早い段階から整えることで、適正な等級認定につながります。当事務所では医療記録の収集から日常生活状況報告の作成サポートまで一貫して対応します。
よくあるご質問
Q. 事故後、家族の性格が変わったように感じます。高次脳機能障害でしょうか?
怒りっぽくなった、意欲がなくなったといった性格変化は高次脳機能障害の典型的な症状の一つです。頭部外傷の既往がある場合は、早めに専門医(脳神経外科・リハビリテーション科等)の受診をおすすめします。
Q. 軽い脳しんとうと言われましたが、後遺障害認定の可能性はありますか?
受傷時の意識障害の有無・程度や画像所見などによります。軽度でも症状が続く場合には認定の可能性がありますので、諦める前にご相談ください。
※ 本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的なご状況については弁護士にご相談ください(交通事故のご相談は無料です)。