後遺障害等級が認定されると、「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」を請求できます。後遺障害に関する賠償金の中心となるこの2つの計算方法を解説します。
後遺障害慰謝料とは
後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する賠償です。算定基準には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の3つがあり、一般に弁護士基準が最も高額になります。
弁護士基準による目安
- 第14級:110万円(自賠責基準では32万円)
- 第12級:290万円(自賠責基準では94万円)
- 第9級:690万円
- 第5級:1,400万円
- 第1級:2,800万円
※いわゆる「赤い本」(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)による目安であり、事案により増減があります。
逸失利益とは
後遺障害によって労働能力が低下し、将来得られるはずだった収入が減少することに対する賠償です。
計算式
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
- 基礎収入:原則として事故前年の実収入。主婦(主夫)の方は賃金センサスの平均賃金を用いることができます
- 労働能力喪失率:等級ごとの目安があります(14級5%、12級14%、9級35%など)
- 労働能力喪失期間:原則として症状固定時から67歳まで。むちうち等の神経症状では14級で5年程度、12級で10年程度に制限される傾向があります
保険会社の提示額をそのまま受け入れないでください
保険会社の提示する示談金は、自賠責基準や任意保険基準で計算されていることがほとんどで、弁護士基準よりも大幅に低額であるのが通常です。示談書に署名する前に、一度ご相談ください。
よくあるご質問
Q. 専業主婦でも逸失利益を請求できますか?
できます。家事労働にも経済的価値が認められており、賃金センサスの女性平均賃金を基礎収入として計算するのが一般的です。
Q. 弁護士に依頼するとどのくらい増額しますか?
事案によりますが、慰謝料・逸失利益ともに弁護士基準で計算し直すことで、提示額から大幅に増額できるケースが多くあります。
※ 本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的なご状況については弁護士にご相談ください(交通事故のご相談は無料です)。